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コラム 08月15日更新

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未病を治す

第35回 自分の健康は自分で守る

 もうすぐ秋の彼岸がやって来ます。先祖の住む場所、住処を彼岸といい、私たちの住んでいる場所を此岸といいます。
  春の彼岸、盂蘭盆、秋の彼岸には、彼岸から此岸へ、つまり生きている私たちの世界に戻り、現世の人々と平安な暮しを共にします。一年に三度の先祖との出会いを楽しむというのです。この秋の彼岸は九月二十日が入り、中日は二十三日(秋分の日)で、前後七日あります。
  この頃、咲く花に、ヒガンバナがあります。この時季に咲くので彼岸花と名づけられたことは明らかです。ギリシャ神話では“海の女神”にたとえられ、花の美しさに因むといわれます。別名は曼珠沙華。曼珠沙華とは、古代インドのサンスクリットで、“天上に咲く”という花の名、見る者の心を柔軟にするといわれています。
  彼岸花はヒガンバナ科に属し、花茎を地中から伸ばし、鮮紅色の花を咲かせます。中国名では石蒜。さらに記せば、墳墓の周辺に多く見られることから死人花という方言もあり、忌み嫌われてもいます。
  この植物は、毒草として多くの人に知られています。けれども、一方で薬草として用いられます。春の終りから初夏にかけて鱗茎を掘り出し、これを水洗いしながら外皮を薄くはぎ取ぎ取り、これを陽乾させたものが生薬の石蒜です。
  前述の通り、石蒜は生の鱗茎を利用しますが、毒性が強く素人は絶対に内服は禁じるべきです。薬には毒性のものが多いのですが、それを上手に利用し、薬とします。一例を挙げれば、トリカブト、漢方名は附子、アコニチンという猛毒が含まれています。このトリカブトについては別項で記したいと思います。このアコニチンの量を上手に調剤、処方して、血行循環を促し、冷えや痛みを改善するという薬物です。
  少々回り道をしました。
  石蒜(彼岸花)は素人は外用薬として、専ら用いることをおすすめします。鱗茎一個をおろし金でおろし、これを就寝前に、両足の土踏まずにはって、包帯で固定します。もれを防ぐために、油紙かビニールを当てるとよいでしょう。肩こり、筋肉の緊張を解きます。日本全土に広く野生していますので、是非ご利用をおすすめします。



著者プロフィール:横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
1939年 茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年 東京高等鍼灸学校卒業、
在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学び、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年 中国医学研究協会設立に参画。
1973年 中華医学会の招聘で訪中、
鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。
現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、
新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
■著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』
ほか多数。


(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

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