私たちの周りには、いろいろな草木が生えています。その中には食べられるものもあるし、毒草もあります。
私たちの先祖は生活の中で、これらの草木の芽や茎を食べたり、乾燥させて保存し、薬用として使ったものが沢山あります。
丁度この季節、採取に適するものに、ドクダミがあります。このドクダミは、道端や家の生け垣の辺りに生えています。大変生命力があり、これを草むしってもすぐに芽をだすことは、この草にかかわった人は実感されていましょう。
この草は決して好い臭いとは言えません。漢名では魚腥草と命名されています。その意味するところは生魚の臭みがある草だと譬えています。
この草は、草葉から根まで全体を採り、よく水洗いして、太陽の光に当てて乾燥させ、後に陰乾し、湿氣をさけて保存します。梅雨時は湿氣に十分氣を付けることが肝要です。生葉のときは臭いのですが、乾燥すると意外と好い香りになるのは不思議なことです。
センブリやゲンノウショウコと共に、医薬関係者に限らず多くの人々にその名が知られています。
ドダタミの薬効には解毒、背嚢作用、湿疹や蕁麻疹などの皮膚病、中耳炎、利尿などの薬効があります。
薬効のある草木には、染料としても使われることも多いようです。例えば、このドクダミの葉や茎を使い、アルミニウムやスズ媒染でうすい黄色、銅媒染で薄い茶色に染めることができます。鉄媒染ですと薄緑色に染まります。
近年の健康志向では、薬効のある草木を茶葉に加えたり、更に幾種類かの草木を足して飲用することが流行しています。こうした使い方は漢方医学理論とは別で、民間薬療法といわれています。
度々記しているように、漢方医学には、陰陽・五行論に従って、薬剤の処方や治療法が決定します。体質、病状、病期の過程などを勘案して処方・治療法を決めることは、いわゆる個人個人を診てのことですから、能率的ではありません。が医療としては大変人間的な対応といえましょう。これも平和だからこそ出来ることであって、戦時となれば、大衆生産、大衆消費の医療であり、個人を一人一人対応はできません。漢方医療や民間治療を大切にされる、この時代が長く続くことを願わずにはいられません。
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