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コラム 11月15日更新

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未病を治す

第26回 自分の健康は自分で守る

 か細く鳴いていたこおろぎの声も絶え、木枯らしが吹く頃。そこかしこから雪の便りが届く。冷え症の人には辛(つら)い季節です。
 冷え症をひとくちでいえば、血液循環の悪い人に見られる症状です。また赤血球の数の少ない、貧血ぎみの人もこの症状があります。日暮れから夜半になる頃、元氣になったような感じになり、つい夜更かしするような人は、貧血に加えて低血圧症の者と診断できます。さらに、遺伝的体質があります。ある疾病の一症状である場合もあり、決定的判断に窮することも少なくありません。
 冷え症という症状名は欧米にはないと聞きます。日本では古くからある症状名です。手足や腰など特定の部位が冷たく感じること。多くは自律神経に起因することは医学的に認知されていますが、その本質は知られないのが現実です。この症状は男性に比べて、女性に多いのが特徴です。更年期にもよくみられます。
 第二次世界大戦終戦後、特に機械化が進み、農機具、運搬・運送に至るまで、その仕事に筋力を省くことが多くなりました。人間は動物であり、身体を満遍なく動かすことで健康が保たれるようにつくられています。運動することによって、血液の流れも順調になり、リンパ液は筋肉の運きによって還流することが知られています。ということは心臓を介して循環しているのではないのです。取りも直さず、体を動かすことが、いかに重要であるかがお解りでしょう。
 1972〜3年にかけて中国・湖南省長沙市郊外の馬王推(マオウタイ)墳墓のニュースを覚えている方もあるでしょう。今から約2200年前に埋葬された墓から絹織物、漆器、陶器、楽器等と共に医学書が出土したのです。その中に"導引(ドウイン)図"も入っていました。導引とは今でいう体操といっていいでしょう。これらは"五禽の戯(ゴキンノギ)"といって虎、熊、鹿、猿、鳥の動作を真似(まね)て身体を動かすことが好いと説いています。
 くどくど述べましたが、必要に応じて、体の節々を動かし、体液の流れを促すと同時に筋肉を鍛えること。それが内蔵の機能を良効にするということです。ただし、自分に合った運動量は自分自身で程度を見つけること。これが肝要です。着衣にも注意し、"冷え症よ、さようなら"といきましょう。さらにこの項を続けます。


著者プロフィール:横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
1939年 茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年 東京高等鍼灸学校卒業、
在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学び、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年 中国医学研究協会設立に参画。
1973年 中華医学会の招聘で訪中、
鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。
現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、
新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
■著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』
ほか多数。


(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

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