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コラム 08月15日更新

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未病を治す

第22回 自分の健康は自分で守る

 中国医学の古典『黄帝内径・素問』は世界に誇れる人倫・医学・哲学を記した書籍です。私たち漢方医学を生業としている者にとって、座右に置いて、事有るごとに繙(ひもと)く重要なものと昔から伝えられています。

 その第一篇は「上古天真論」と名付けられています。「上古」とは、人類の生活がまだごく初期の段階であったことを指す総称です。「天真」とは先天的に与えられた命と解釈されましょう。その命に備わった「氣」を元真とか元氣といいます。「ご無沙汰いたしていますが、お元氣ですか?」の元氣のことです。

 さて、その第一篇の中に次のような文章を見かけます。
帝日、人年老而無子者、材力尽耶、將天数然也。岐伯曰、女子七歳腎氣盛、歯更髪長。二七而天癸至、任脈通、太衝脈盛、月事以時下。故有子。
 直接現代の言葉に訳すと次の様になります。黄帝がいう。「老境に至れば、もう再び子供を産むことができなくなる。これは精力が不足したからなのか。それとも天から与えられた限度があるからなのか」。伯がいう「男女の一般的な生理過程は、女子は七歳になると、腎氣が充たされだし、歯が脱けかわり、毛髪もまた長くなってきます。十四歳になると、天癸が発育・成熟し、任脈はのびやかに通じ、太衝の脈は旺盛になって、月経が時に応じてめぐってきます。だから子供を産むことができます。」…と女子の人身の盛衰を述べています。いうまでもなく男子についても記されていますが、ここでは略します。
 このように自然の摂理を観察し、質の良い生涯をいかに過ごすかを二千年以前に説いているのです。驚きです。

 女性にとって月経は特別な意義があります。月経がある年齢になりますと、大人の女性としての美しさが具わります。それと子供を産む事が可能になるのです。しかし、月経期は決して楽でない人も少なくありません。往診の際、七転八倒の苦しみに喘ぐ方に会ったことがあります。そこで月経困難症、月経異常に用いて、著効をみるツボを紹介しましょう。東洋医学としての漢方薬・鍼・灸は絶妙な効果をもたらしてくれます。先ず、ツボの名は関元(かんげん)。へそと垂線下で恥骨上線を五等分します。へそから3/5のところが関元です。足三里は先月号で図解があります。三陰交は内踝(うちくるぶし)の上、約15cmのところ。月経時だけでなく、続けること。指圧でも、灸でもよい。この記事は次に続けます。


著者プロフィール:横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
1939年 茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年 東京高等鍼灸学校卒業、
在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学び、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年 中国医学研究協会設立に参画。
1973年 中華医学会の招聘で訪中、
鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。
現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、
新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
■著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』
ほか多数。


(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

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