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コラム 09月15日更新

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未病を治す

第16回 自分の健康は自分で守る

 前回に続いて蔵象学について記します。蔵象とは現代医学でいう六臓六腑の生理・病理学と理解して頂ければよいでしょう。「肺ト大腸ハ表裏ト為ス」にもう少し詳しく考察を加えてみましょう。
 もとより今日、東洋医学の狭義の考え方は古い中国・漢代に完成をみた医学を指します。漢方医学といわれるのもそれ故です。今から約二千年前に遡ることになります。従ってここで解釈することは、二千年前の中国古文であることをご承知おき願います。

 東洋医学の理論構築は、陰陽論や五行説を通して語られます。現代教育の中では学習する機会がなく、馴染まないかも知れません。事に当たった折々に、解説を加えることと致しましょう。
 では、先の肺と大腸との係わりに戻ります。肺は天の氣、すなわち太陽の光を皮膚を通して浴び(前号で「肺ハ皮毛ニ通ズ」)、大氣を鼻から肺に運び、呼吸を反復します。大腸は地の氣、飲食物を口から入れ、腹部にある胃に納めます。消化された食物は小腸で栄養を吸収され、その粕を大腸に送り、肛門から排泄します。天の氣は軽く、形が見えません。地の氣は姿が見えて重く、下に降ります。軽いものは陽、重いものは陰と説かれます。吸氣は鼻腔→氣管→氣管支→肺胞へと進入します。一方飲食物は口→口腔→咽頭→食道(頚部食道→胸部食道→腹部食道)→胃へと送られます。
 私達人間は動物です。動物は動くことが出来ないと生存は不可能です。動くためには筋肉・骨など運動器がなくてはなりません。呼吸器にしても消化器にしても、管を伝って物質が運ばれます。つまり氣管も食管も筋肉で構成され、管の内壁には粘膜があり、粘液を分泌しています。氣道の粘膜は大氣中の塵埃を除き、湿氣を与え、温度を調節したりして身体の保全を図っています。他方食管も口腔で味・硬さ・匂い・温度などを通じて安全な飲食物かを確認し嚥下します。
 今、鳥インフルエンザ・ウィルスの拡張が深刻な問題になっています。このウィルスは鳥から鳥ヘ感染するものですが、突然変異で強力な病原体となり、人間に感染→発病に至ると死者が多数出ると推測されています。氣道と食道は咽喉で繋がっています。粘膜は皮膚の一部ですので、インフルエンザに罹患すると食欲不振、腹部膨満、下痢などを発症します。鼻、大腸アレルギー、氣管支喘息、皮膚アレルギーと見渡すと、先人の将に「肺ト大腸ハ表裏ト為ス」という先見の明に驚かされます。




著者プロフィール:横山 瑞生(よこやま ずいしょう)
1939年 茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年 東京高等鍼灸学校卒業、
在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学び、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年 中国医学研究協会設立に参画。
1973年 中華医学会の招聘で訪中、
鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。
現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、
新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
■著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』
ほか多数。


(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)

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