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未病を治す
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第14回 自分の健康は自分で守る
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体内に取り入れた氣は、臓腑の最高位に在る肺に上昇します。ここから経絡といわれる通路を流れて、全身に配布されるのです。経とは縦糸、絡とは横糸という意味があります。つまり経は上下に、絡は左右に氣が流れる通路。絡は経と経とを繋いでいます。更にいえば絡を結ぶ通路があり、これを孫絡といい、これらによって全身を網羅している、と考えられています。
経は十二通路あり、各々に六臓六腑の名が付けられています。十二経は正経といい、これに前後正中を走る縦の経、任脈(前)と督脈(後)(竒経)を加えて十四経と呼びます。
経と絡とを合わせて経絡と言います。経絡の流れが正常な時は健康を保持しています。身体が冷え、ほてり、しびれ、痛むといった症状が現われたときは病氣の前兆と見做します。これに加えて脈が早く、浮いたり、呼吸が荒くなったりした場合は氣の流れが滞ったり、遅くなったり、速くなったりしていると診断します。
永い年月の中で古人の経験の積み重ね、それらの伝承から、こうした病症の際は、どのツボに、どのような刺激を与えたらよいか。鍼が良いか、灸がよいか、はたまた按摩がよいか、が書籍に詳しく記され、今日読むことができます。これら古人の足跡を知るのに、文字文化はどれ程私達に恩恵をもたらして呉れたことでしょう。
ここでもう一つ大切なことを紹介しておきましょう。私達人間は生れながらに、丈夫な体と貧弱な体とがあります。また生後の環境や生活習慣から、強弱が生じることはよく知られるところです。丈夫な体は氣が充実しているし、貧弱な体は氣も貧小です。前者は「実」、後者は「虚」といいます。実の人は病氣にかかり難いが、虚の人は病氣がちです。
体外から病氣を起す原因になるものを外邪(外因)といい、風、暑、熱、燥、寒、湿、がこれです。また内因に七情があります。七情とは感情のことで、喜、怒、憂、思、悲、恐、驚を指します。この他に不適切な飲食、労働休息。不適切とは過不足のこと。その外に外傷、動物に咬まれたり、刺されて毒が体に侵入し重篤な病状を来す恐れのあるものを不内外因といいます。これら外因、内因、不内外因も「実」つまり、丈夫な体の持主は抵抗力があり、発病しても治りがよいが、貧弱の体質の持主は病氣に罹り易く、治りが悪いことは明白です。一般に実証、虚証と言われます。病いとして扱うときは証にかえて症を付け表現します。
さて、中国伝承医学の哲学理論を説いていますが、少々難解かも知れません。出来るだけ解り易く筆を進めます。それによって、これからの稿を楽しく、実践できると確信します。どうぞよしなに願います。
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| 著者プロフィール:横山
瑞生(よこやま ずいしょう) |
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1939年 茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年 東京高等鍼灸学校卒業、
在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学び、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年 中国医学研究協会設立に参画。
1973年 中華医学会の招聘で訪中、
鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。
現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、
新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
■著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』
ほか多数。 |
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(一本堂横山鍼灸療院長 横山瑞生)
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