| 先日視察船による「東京湾一周」に参加しました。晴天で見通しもよく、埋立地の街や緑地がすばらしく見えましたが、一方海水はくすんで見えました。「東京湾は汚れている」というイメージが先行していますが、最近は下水道・浄化槽・農業集落排水施設等の生活廃水処理施設が整備されてきたことで、水環境の指標である環境基準(COD.窒素および燐)が緩やかながら改善の傾向を示してきました。水質汚濁の原因の1つは赤潮・青潮です。赤潮はプランクトンが大量に発生し海面が赤くなる現象、青潮は海水中の硫酸化イオンが酸素と反応して硫黄ができ、それが光を散乱させ海面が乳青色や乳白色に見える現象で、いずれも家庭や工場から排出され湾内で生産される有機物が原因です。
東京湾のような水域は外海との水の交換が悪いために、江戸川・荒川・隅田川・多摩川などの河川から流れてくる汚濁物質が溜まりやすく、また京浜工業地帯、京葉工業地帯に囲まれ、ここからも様々な重金属を含む化学物質等が流れ込み堆積しています。政府の中央環境審議会では、5年ごとに水質総量規制の目標年度を設定し、その間の各種施策の実施状況、汚濁負荷量の削減状況等実効性を確保しながら実施してきました。流域の人口の増加、産業活動の増大にもかかわらずCOD負荷量が減少しているのは、5次にわたるCODの総量規制により生物処理を中心とする排水処理対策の進展が寄与しているようです。
今後の課題は、様々な主体による社会経済活動の結果として発生する東京湾の汚濁の削減について全ての関係者が情報を共有し、それぞれの立場で実施可能な汚濁負荷削減対策が出来るよう水環境に関する情報発信および普及・啓発活動を推進し、行政と企業、市民が一体となって汚染に取り組むことです
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