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くらしを考える |
第4回 化学合成物質〜生物の未来を奪う環境ホルモンの怖さ〜 |
わが国の高度経済成長を支えてきたものの1つに、自然界には存在しない化学合成物質の開発があります。その多くは医薬品、農薬、食品添加物、合成洗剤、プラスチック製品などで、日常的に使用されている化学物質の種類は国内だけでも5万種に達しています。問題は、これら化学合成物の持つ毒性に関するデータがほとんど確認されないまま生産・消費され、環境中に大量に放出されていることです。中でもアメリカで1996年に出版された『奪われし未来』の中で新たな有毒性が明らかにされたのが「環境ホルモン」で、体内で働いているホルモンと同じ働きをして、本物のホルモンの働きを狂わせてしまうものです。これらの化学物質は「内分泌かく乱物質」と呼ばれ、代表的なものがダイオキシンやDDT・PCBなどですが、農薬・工業用洗剤(界面活性剤)・船底塗料の有機スズ・プラスチック原料など日常生活で使われているごく身近な化学物質が、環境ホルモンとして作用することがわかってきました。それらは空気や水・食品などに含まれて知らないうちに身体に摂取され、その影響はフロリダ州のワニの激減や世界的な鳥類の生殖行動異常などに現れています。人間とも無縁ではなく、わが国でも乳がん罹患率の上昇、若い女性の子宮内膜症や不妊症の増加、男子の精子の激減や精巣がんの増加などが指摘されています。
少し前の新聞に「児童の多動性障害は殺虫剤の影響か?」と言う記事がありましたが、発育盛りの子供たちに計り知れない影響を与えているのではないかと心配です。様々な化学物質は石油化学を中心とした現代産業によって生み出されたものですが、私たちの身体のシステムを狂わせ、生命の存続を脅かすものであることが明らかになってきた以上、その産業構造を根本から転換しなければなりません。その解決に向けて消費者・行政・企業が協力していかねばならないと痛感します。 |
(消費生活コンサルタント 桐原照子)
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