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コラム 09月15日更新

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日本とユダヤのハーモニー 囃子詞に秘められた謎

第5章
歴史に名を残す著名な民謡の証(あかし)とは
〜日本語の謎をヘブライ語で解き明かす!

 ここまで解説してきた囃子詞は全て、今日でも大勢の人に親しまれ、日本各地で歌われている代表的な民謡から抜粋しています。ごく普通にその発音をヘブライ語に当てはめるだけで、今まで不可解だった言葉の意味を理解できるため、囃子詞の多くが無意味な言葉の連鎖である、という従来の考え方から大きく飛躍することになります。

 無論、囃子詞の中には最初から日本語で綴られ、元来意味のある言葉もあります。一見ヘブライ語のように聞こえても、実は日本語が訛ったものであった事例も少なくありません。いずれにせよ囃子詞は、あくまで民謡を面白く引き立たせる為のツールとして活用することにあり、その語呂を上手に組み合わせながら旋律的なインパクトを与え、民衆の心に残るメロディーとして広く親しまれることが大事とされているのです。その過程において、ヘブライ語ルーツをもつ多数の囃子詞が、意図的であったかどうかは別として、多くの民謡作家によって今日まで活用され続けてきました。結果として日本語では意味をもたない言葉の連鎖が上手に活用され、それらが流暢な抑揚を持つ囃子詞としてまとめあげられ、いつしか歴史に名を残す著名な民謡として、民衆の心に響き渡ったのです。

 ところが民謡の起源を辿ると、その歴史が意外と浅いものが殆どです。囃子詞のルーツがヘブライ語であるとするなら、大昔から唄われていた歌詞が代々引き継がれていると想像してしまいますが、実はそうではありません。民謡の多くは、それが唄われる理由となるきっかけが、当初からあったようです。例えばあの著名なソーラン節も、沖で鰊漁の網を船へ引き上げる時に力を込めるために唄ったことが原点です。海の豪壮な労働唄である「ソーラン節」だからこそ、ヘブライ語で「神の御力によって突き倒せ(引っ張れ)」の意味をもつ「どっこいしょ」という囃子詞がそのテーマに合致したのでしょう。この「ソーラン節」は、一九三五年に編曲されたばかりですが、作者である今井氏が囃子詞の意味を熟知した上で、この唄を纏め上げたかどうかは定かではありません。また「ヤーハエ」を連呼する「気仙坂」も、もとは江戸時代、銭を鋳造するため、三昼夜タタラを踏む時に唄った銭吹唄です。これも「ヤーハエ」という言葉が「神」を意味する言葉と知って、民謡作家がわざわざ用いたどうかは定かではありません。はっきり言えることは、日本語では意味がわからない囃子詞を上手に活用することにより、不思議と日本人の心に溶け込みやすい、勇壮活発な民謡に仕立てあげることができたということです。

 つまるところ、民謡が民謡らしく、そして民衆の心に根付くためには、不可解なヘブライ語の連鎖が不可欠なようです。これが、日本人の心の中に知らぬ内にユダヤの文化が息吹いている証とも言えます。これらのヘブライ語ルーツを持つ囃子詞は、すでに日本人の心に根付いており、その言葉の響きに耳を傾けるだけで、誰しも故郷、日本を感じないではいられないような思いに浸ってしまう…それが囃子詞の不思議でもあります。

 


(文・中島尚彦
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