成田シティージャーナル===============
H20年07月15日発行 第81刊 毎月15日発行 購読無料
=========================
成田の将来と日本の未来を見据えて撃つ!
そんなあなたにホットな話題をお送りする
最先端オピニオン紙

発行:ネットハウス
〒286-0044 千葉県成田市不動ヶ岡 1958
TEL 0476-24-6777 FAX 0476-24-6778
http//www.naritacity.com
成田市、佐倉市、印西市、富里市、香取市、山武市、八千代市、四街道市、習志野市、船橋市
酒々井町、栄町、小林、安食、多古町、横芝光町、芝山町、神崎町に折込
発行部数:275,000部
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

サイバー戦争の幕開け ! 第3篇
攻撃のターゲットとなったカードデータの流出による大混乱とは !

 SQLインジェクションと呼ばれる弾頭を搭載した目には見えない架空ミサイルが、サイバーの世界を飛び交っています。その矛先の多くは日本に向けられ、格好のターゲットとなったサウンドハウスは、知らぬ間に被弾していました。そしていつの間にかWEBサーバー経由で「バックドア」と呼ばれる裏アクセスの穴をこじ開けられ、そこから不正ファイルが埋め込まれ、一触即発で多大なる被害が生じかねない状態のまま長期間、放置されていたのです。しかもその不正行為は非常に巧妙な手口で実行された為、誰も知る由はありませんでした。

被害の実態が見えてきた!

 サイバー攻撃によるデータ流出の結果、流出した可能性のある顧客データ数は97500 件にまで達していたことがわかりました。その手口は、アクセスログを検証した際に発見した悪性プログラムの解析から明らかにされ、2007 年と2008 年に新規登録をした顧客データが、今回の流出ターゲットとされていたことが確認できました。その中からクレジットカード情報を含むデータが抽出され、更にカードの有効期限にゆとりがあると思われる2008年の新規顧客登録データに絞り込まれて悪用された可能性が高いのです。その結果、最終的に実害が生じた可能性がある顧客データ数は、およそ4800 件であると推測されました。 攻撃に参加したハッカーの多くは、インターネットに公開された攻撃マニュアルに従ってこれらのデータを抜き取り、素早く換金することを目指したと考えられます。流出した顧客情報の中には、クレジットカードだけでなく、サウンドハウスのサイトにログインするためのパスワードも含まれていました。サイバー社会における危機管理において、パスワードを共有することは避けるべきで、特に金融機関に使うパスワードは、他のパスワードと異なるものとするべきです。ところが、こうしたパスワード管理についての常識が、まだ十分に浸透していないため、現実には同じパスワードが様々なサイトで使い回されているのです。
  ハッカーはその盲点をついてきたのです。ここ最近3Dセキュアと呼ばれる本人認証システムがインターネット上のショップで導入され始めました。本人しか知らない秘匿性の高い暗証番号を活用することにより、安全にクレジットカードを利用してショッピングができるというシステムです。ところが、クレジットカードのパスワードと同じものがサイトのパスワードとしても登録され、そのパスワードがカード番号と一緒に流出すると、誰でも本人になりすまし、3Dセキュアを採用しているネットショップで何ら疑われることなく買い物ができてしまうのです。その結果、各種オンラインゲームサイトでクレジットカードを悪用し、ゲーム内で使用するお金やアイテムを購入。その後、それらをRMT(リアルマネートレード)と呼ばれる転売手段を用い、オークションサイトなどで換金するという行為が繰り返されていたのです。
  実際のクレジットカード被害件数は、カード会社が公表しないために不明ですが、悪用された可能性の高い4800 件の顧客データの中で、クレジットカードとサウンドハウスのサイトで同じパスワードを使用している可能性は、多くても8 割でしょう。そして、攻撃が成功して最後の換金までたどり着く可能性を5 割と想定すると、被害件数の予想はおよそ2000 件となります。当初発表のプレスリリースでは、抜き取られたデータの総数は最大97500 件とお知らせしましたが、実害を伴う被害件数は、おそらくその2%程ではないかと推測します。いずれにしても、サウンドハウスのスタッフが現を抜かしているうちに、あっという間に、貴重なデータが搾取され、闇組織の錬金術の罠に、見事にはまってしまったのです。

情報公開に「待った」がかかる

 巧妙なサイバー攻撃を受けた結果、サウンドハウスは大変深刻な事態に直面しました。まず、クレジットカード会社より流出の可能性を指摘されたものの、当初から被害の実態が全く見えてこないのです。クレジットカード会社は、被害に関連するカード情報について、その詳細を公表しないため、どの程度の被害が実際に生じているのか、見当がつきません。また、流出の原因についても、調査機関の検証によるレポートが出るまでには時間がかかるということで、クレジットカードの決済機能はすぐに停止したものの、不安がつのりました。正に奇襲攻撃を受けて、混乱に陥った戦場のごとく、社内に緊張感が走りました。
  最も深刻な問題は、個人情報の流出に関する情報公開のタイミングでした。ハッキングによって大切な個人情報が盗まれて、クレジットカード情報が悪用されていることがわかった訳ですから、当然ながら被害を最小限に食い止めるための努力をしなければなりません。その為にもまず、被害にあった可能性のある顧客に対して、素早く情報を伝達しなければならないはずです。ところが、いざ情報公開をするため準備を完了すると、意外にもクレジットカード会社から「待った」がかかったのです。そして被害状況の全体がわかるまでは情報を公開しないようにと釘を刺されてしまったのです。いたずらに不安心理をかきたてることを避ける為にも、まずは被害の実態を確認し、更に顧客対応の準備を周到に整えてから、情報公開に踏み切りたいということでした。これまでの経験則があるのでしょう。情報公開をする、しないという最終判断も含めて、カード会社が主導権を握り、加盟店を仕切るのが当たり前のような風潮が漂っていました。この一見、圧力的とも思える一方的な物事の進め方に、サウンドハウス側としては抵抗を感じずにはいられませんでした。しかし調査会社のアドバイスを受け、従うことが賢明であろうということで、最終的にはクレジットカード会社と足並みを揃え、情報公開のタイミングを調整することに合意しました。

身動きのとれない加盟店

 こうして流出が発覚した直後より、連日のようにカード会社と協議を重ねながら、情報公開のタイミングを模索することになりました。サウンドハウス側としては、一刻でも早く情報を伝達しなければ被害が拡大するのではないか、という懸念から、今すぐ情報公開をするべきだ、という声が次第にくすぶっていきました。そして流出が指摘されてから9 日後の3月30日には、調査機関から正式な報告を受け、事件の実態をおよそ把握することができた為、カード会社から情報公開のGoサインが出ると思いきや、その時点でもクレジットカード会社は首を縦にふらず、準備にまだ時間がかかるとのことでした。
  その時、遂に問題が発生しました。お客様から「サウンドハウスは流出事件を隠蔽している!」というクレームの電話やメールが寄せられるようになったのです。そして「流出があったことを、何故知らせないのか?」、「なぜ情報公開をしないか?」等の問い合わせやクレームが徐々に増え、社内が混乱に陥ったのです。
  お客様が怒るのも無理はありません。何故ならクレジットカード会社は、被害が確定したお客様については、クレジットカードの利用を一旦停止して、新しいカードを作り直す作業に着手しなければならず、顧客に連絡をしていたのです。その際、サウンドハウスからの情報流出が原因で、カード被害が生じたという説明がなされたのです。これにはスタッフ一同、唖然としてしまいました。準備ができるまでということで我慢して待っている矢先、何の断りもなく、名指しでサウンドハウスが流出事件をおこしたという説明を付け加える訳ですから、当然のことながらサウンドハウスだけが悪者扱いされます。情報公開をしたいのに、カード会社から止められていることを説明する訳にもいかず、ひたすら謝罪するしか術がなかったサウンドハウスの営業部隊のストレスは限界を超え、いつしかカード会社に対する不信感が募っていくことになります。
  情報公開のタイミングについては、確かに準備態勢が整わないまま先行してしまえば、重大な2次災害になりかねません。数万人のカード利用者が突然、カード会社に対して一斉に電話をかけてしまったら、どんなカード会社でも対応できる訳がありません。コールセンターの電話回線がパンクすれば、連絡がつかないと激怒するお客様も少なくないはずです。また、対応窓口となるカード発行会社も100社以上存在するため、情報を伝達、確認する時間も必要です。それ故、最低限の準備期間は必要であることに間違いはありません。しかしその間、クレジットカード会社は被害状況が確定した利用者とは個別に連絡をとり、事実上、情報公開していく訳です。
  ここに大きなジレンマがあります。身動きのとれない加盟店企業は、情報の流出という事件をおこしたことについて責任を追及され、尚且つ、情報公開を意図的に遅延、隠蔽しているとして、非難を浴びる結果となります。逆にクレジットカード会社は、加盟店よりも先行してお客様と連絡をとり、問題を説明し、無償で各種サービスを提供するということで、消費者より高い評価を受けるのです。カード会社のリクエストに応じて情報公開のタイミングをずらし、目いっぱいの協力をしているにも関わらず、情報を隠蔽していると非難される中、説明ができないという状況が続き、サウンドハウス社内には異様なまでの閉塞感が漂うことになります。

殺到する顧客の問い合わせ

 調査報告を受け取ってから4日後の4月3日木曜日、カード会社と協議の結果、サウンドハウスのWEB サイト上にまず、「個人情報の流出について」というお知らせが掲載されました。翌日からはメール配信が始まり、それから3 日間かけて、10 万人以上のお客様に直接、個人情報の流出についての謝罪と説明がメールにて配布されました。その直後から、想像通りにメールと電話の問い合わせが爆発しました。社内では24 時間体制で返答の処理を進めることになっていましたが、数えきれない電話と、4000件以上のメール問い合わせを目の当たりにし、しかも日増し難しくなる問い合わせへの対応のため、激務と疲労が頂点に達します。

(文:中島尚彦)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
世界の片隅から

-国連職員の仕事-22  コソボの少女ベシアナ vol.2

 見るも無残に焼け爛れた顔をしたベシアナとその両親に出会い、この子の顔を何とかしてほしいと頼まれたときに、思い出したことがありました。それは今から20年近くも前に私が出会った水頭症の子供のことでした。
  そのころの私は、タイとカンボジアの国境沿いにいた37万人のカンボジア難民・避難民への人道支援の仕事をしていました。ある避難民キャンプの中を見てまわっていたとき、たまたま入った家の中で母親が赤ん坊を抱いていました。その子の頭は異常に大きくなっていて、素人ながらも水頭症だとすぐにわかりました。母親は、私に対してこの子を助けてほしいと訴えてきました。私は、キャンプを運営している国連のドクターを呼びました。やがて駆けつけてきたビルマ人のドクターは、「この子のことは承知しているが、どうしようもない。この子をバンコクの総合病院まで連れて行って治療を受けさせれば助かるかもしれないが、そのためには莫大な費用がかかる。その同じ費用で、このキャンプにいる数百人の子供たちに基本的な治療薬を提供することができる。この水頭症の子供一人を救うために、今ある予算を使ってしまえば、他の子供たちが下痢やマラリアなどにかかったときに治療薬がなく、結果として命を落とすことになるかもしれない」というのです。人道援助において、限られた予算をどう使うべきかは、とても難しい判断です。すべての人に世界で最高の治療を提供できれば、それがよいに決まっています。しかしそれが不可能であることも事実です。ですから、国連では、はじめから治療方針を決めてあります。それぞれのドクターや職員が、個々のケースで判断に苦しまなくてもよいようにとの配慮でもあります。値段も安く大勢の人がかかりやすい病気の治療薬が基本薬として定められ、その確保が最優先となります。
  治療は難民キャンプの中にある国連の病院で行われます。その次に、国連の病院では設備等がないために治療できないが、近くの町の病院であれば治療できる病気は、予算の枠内で行います。しかし、国連がすること、できることはそこまでであって、この水頭症の子供のようにバンコクまで連れて行けば、治療ができるとわかっていても、そうすることはできないのです。当時の私は、この子一人を救うために数百人の他の子供の命を危険にさらすことはできないとドクターに言われ、返す言葉もなく、その場を立ち去りました。そして、国連が行う人道支援の限界を知ったのです。国連といえども万能ではないし、国連だからこそ全体を見た支援をせざるを得ず、その過程で、意図的に見捨てざるを得ない個人もでてくるのです。ベシアナもまたそのケースでした。彼女の顔の傷がどれほどひどくても、それ自体が命にかかわるものでない以上、国連は、たった一人の2 歳の女の子のために大金を使うことはできないのです。しかし、こんな顔をした子どもが歩まなければならない人生を考えると、私は、国連ができなくても、個人としてできる限りのことをしてあげたいと考えたのです。そして、アドラ・ジャパンという日本のNGOとコソボで働いていた日本人に支援をお願いすることにしたのです。

【お知らせ】
  今、ベシアナが最後の治療のために日本に来ています。『ベシアナ』で検索すれば『ベシアナちゃんを助ける会』のホームページが出ます。是非、募金をお願いしたいと思います。
■ベシアナちゃんを助ける会
www.adrajpn.org/O_Besjana /O_Besjana001.htm

(文:井上健)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

成田グルメNAVI第36回

食べ処の向上には辛口意見が必須 ! 〜編集長から一言

 毎月、読者の方々から様々なコメントを頂き感謝です。このコラムが目指すところは、成田界隈のグルメが、国際的都市にふさわしいレベルにグレードアップされ、市民が、より美味しい食事で舌鼓をうてる食べ処に囲まれることです。実際にそのような街は、世界の至る所にあり、日本では六本木や銀座がその筆頭と言えます。その目的を達成する為、本コラムでは時に辛口意見もストレートに掲載しています。成田グルメのネックは空港関連の寮が多数存在することもあり、成田周辺のグルメ人口のバランスが女性側に傾いていることです。つまり男性客が少なく、女性客が圧倒的多数を占めるため、公津の杜周辺の様に女性ファンを魅了できる献立と雰囲気創りが、人気店となる為には不可欠です。その結果、和食店が苦戦を強いられています。もう一つ課題は、参拝客だのみの参道では黙っていても客が来店する為、参道沿いのグルメレベルが中々向上しない点が挙げられます。食べ処の真髄は、シェフの「美味しいものを食べてもらいたい!」という情熱と向上心につきます。果たして今、どのレストランに、そのような熱い思いを感じることができるでしょうか?食材へのこだわりと、常に新しい味を発見する喜びを見失い、いつしかマンネリ化した食べ処しか存在しない街と化してしまうことを危惧しています。だからこそこのコラムの存在価値があります。いつまでも黙っていては、何も改善されません。例えば、国産鰻と、台湾産の脂っこい養殖鰻の違いは一目瞭然です。しかし誰かが「国産鰻が食べたい!」と言わなければ、いつしか成田界隈の鰻屋は全て、台湾産で埋め尽くされてしまいます。本当はもっと美味しい天然鰻も食することができるお店があっても良いはずです。旬の食材とフレッシュな肉や魚をふんだんに使い、美味く、安心して堪能できる食べ処が増えることをひたすら期待するこの頃です。

(文:中島尚彦)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
まつもとゆきひろの 愛と青春のアコースティックギター
〈第4回〉ブランクからの復帰

 ブランクからの復帰 Fコードが鳴らないというお決まりの挫折から、その後2年と半年もギターを触ることなく過ごしてしまいました。音楽を自分で演奏するなんて事は所詮夢だと思い込んでいたのです。その間、つぶれかけた写真部に入ったり、好きな絵を描いて過ごしました。後に、私は芸大に入り、やがてデザインを職業にするのですが、この時の経験が生きているのだと思います。高校受験が終わり、部活もなくなり、時間を持て余していた私は、ふと押し入れにしまい込んでいたギターを弾いてみました。試しにFコードを鳴らしてみると「ジャラ〜ン」と美しい和音を奏でました。成長期の私の手は知らぬ間に大きくなり、力もついていたのです。
(高校編につづく)

今月の1本
YAMAHA N-500
1970年代 定価50,000円(当時/生産完了)
表板:スプルース
サイド&バック:パリサンドル
ネック:アフリカンマホガニー
指板&ブリッジ:パリサンドル
※大きなピックガードは何と、本べっ甲製!


(文:まつもとゆきひろ)
成田在住のアコギマニア。自宅には数十本のアコースティックギターがひしめいている。
現在も首都圏を中心に全国ライブ活動中。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
日本とユダヤのハーモニー
〜神楽歌に秘められたヘブライルーツ パート3〜
第31章 神楽歌と「出エジプト記」の不思議な関係

 およそ3200年程前、エジプトで奴隷となっていたイスラエルの民は、指導者モーセによってカナンの地へと導かれました。広大な荒野をさまよい歩く民の先頭には、常に神の雲が出現したことが旧約聖書に記されています。「神の雲」は導きの象徴であり、その「動く」雲を見上げながら、群集は荒野を旅しました。この奇跡的なイスラエルの「出エジプト記」が、天岩戸神話と神楽歌に関連しています。
  神楽歌の一句である「八雲立つ 出雲」(ヤツメサスイツモ)は、「八」が神を意味することから、「神の雲が出現する」と理解できます。そして「出雲」はヘブライ語で「先頭」を意味することから、群集の最先端を神が導く姿が「出雲」と表現されたのでしょう。そしていつしか、民が導かれた約束の新天地も、「出雲」の国と呼ばれるようになったのです。
  「八重垣 妻籠めに 八重垣作る その八重垣を」も、同様に2重の言語で読むことができます。まず「八重垣」ですが、ヘブライ語で「ヤエ」は神であり、「ガキ」は、「立ち上がる」のhag(gaah、ガ)に、「壁」を意味するryq(keer、キー)を合わせた言葉の組み合わせです。それ故「ヤエガキ」は、「神が立てられた壁(垣根)」の意味となり、「八重垣」という漢字が当てられたのでしょう。「ガキ」にはヘブライ語で、もう一つの意味があります。yhw(vahee、ヴァヒ)という「そして嘆いた」という意味のヘブライ語がありますが、実際の発音は、「ガキ」とも聞こえます。エルサレムの城壁が今日でも「嘆きの壁」と言われているように、「神の壁」は、「嘆きの壁」でもあります。そのニュアンスを理解することにより、文脈の流れが見えてきます。
  「妻籠めに」は、「のどが乾く」という意味のamx(tzama、ツァマ)に、「救いの」を意味するlaig(goel、ゴェル)という形容詞、そして「働き」の意味を持つuynm(menee、メニ)をリンクした言葉です。発音は「ツァマゴェルメニ」となり、日本語の「妻籠めに」に等しく、「救いの恵みに飢え乾く」の意味となります。これこそ、救いを切望する祈りの言葉です。
  その祈りの理由が、次の「八重垣作る」という句に秘められています。「作る」は、「岩」のrwx(tsoor、ツォ)と、「砂の」を意味するlwj(khol、コル)というヘブライ語から、「砂の岩」を意味します。発音も「ツォコル」となり、「作る」と酷似しています。また、「コル」には、神をないがしろにする「世俗的な」というニュアンスが含まれ、「岩」は神を象徴する言葉であることから、神が不在の乱れた現世を「ツォコル」と表現したのでしょう。実際、荒野を旅したイスラエルの民は、事あるたびに神を忘れ去り、神が禁じられた偶像礼拝の道に走った為、そのため神の嘆きと怒りをかってしまったのです。それ故、ヘブライ語で「いばら」を意味するhns(sene、セネ) という言葉が、後に続く「その八重垣を」に使われ、神が不在のいばらの世を嘆くことを表現したのでしょう。
  「八雲立つ 出雲 八重垣 妻籠めに八重垣作る その八重垣を」は、元来ヘブライ語で書かれ、その発音に合わせて日本語があてられ、天岩戸神話に繋がる神楽歌となりました。言語の意味は、「神が現われ、民の先頭を行く。壁が立てられ、救いの恵みに飢え乾き、乱れた世を嘆く。いばらの世は嘆かわしい」神楽歌は、旧約聖書のテーマにも繋がる、ヘブライ語と日本語を見事にブレンドして創作された、不思議な古代文学といえます。

(文:中島尚彦)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
かもねぎの COME ON MUSIC ! ! 77

ウクレレってすごい !

 先日、サウンドハウスに凄い人が尋ねてきました。その名はIWAO。山口岩男の名前で今から20年前にデビューし、10年ほど前からウクレレの演奏者としても活躍されている人です。6月25日にニューアルバムが出たということで、成田空港で行われたBayFMの収録の帰りに立ち寄ってくれました。 目的はウクレレの製品紹介のプロモーションビデオの撮影。IWAOさんとは共通の知人を介して電話ではお話をしたことがあったのですが、お会いするのは初めて。プロのミュージシャンの中にはツンツンしてたり、全く近寄れないようなオーラを出している方もいるのですが、IWAOさんは非常に気さくな方でした。通常、収録は「大体こんな感じで、紹介してもらえれば・・・」とこちらがアイディアなり、台本を書いたりするのですが、積極的にアイディアも出して頂き、撮影も明るく、和やかな感じで、あっという間に終了。
  今やウクレレを知らない人はいないでしょう。ハワイアンだけではなく、様々な音楽にマッチします。楽器の入り口としては取り掛かりやすく、ギター以上に愛好者は多いと思います。それもI WAOさんの手にかかればウクレレはハワイアンだけではなく、ロックやブルース、ポップスでも多彩な表情を見せてくれます。
  今回ニューアルバムを引っさげて成田に遊びに来てくれましたので、紹介いたします。暑い夏はやっぱりウクレレが良く似合いますよね ! ぜひ成田でのコンサートなども実現してもらいたいと思います !

SHANGR I-LA( シャングリラ)【ビクターエンターテイメント】
ウクレレという楽器の可能性を追求し続ける日本人ウクレレ奏者の第一人者I WAOがおくる、ただひたすら気持ちよいインスト・アルバム。80年代のフュージョン/クロスオーバーを彷彿とさせる、極上ドライビング・ミュージックとしてもおすすめ。メジャー・デビュー以来今年で20周年、更にウクレレ演奏として10周年を迎えた記念アルバムの登場です !

ギタリスト加茂尚弘
連絡先 0476-24-6777(ネットハウス)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
未病を治す 横山瑞生
第45回 自分の健康は自分で守る

 農家の人達にとって、田畑で栽培している作物以外の植物はみな雑草。草ばかりでなく作物を荒す大小の動物も、また敵です。 今回はその内いわゆる雑草について考えてみましょう。丁度この時季は初夏。雨がよく降り、氣温が上ることで雑草はどんどん繁茂します。ドクダミ、カラスビシャク、スベリヒユ、ナズナ、スギナ、アカザなどが代表的です。いずれも大変生命力の旺盛な草々です。雑草と一ひ とくちに言いますが、先に挙げた草たちは、実は食用にもなり、薬草として昔から利用されていることは、一般の方々には意外と知られていないのです。そこで、その利用のされ方などを探ってみたいと思います。 カラスビシャクはサトイモ科。“夏が来れば思い出す。はるかな尾瀬、遠い空♪”で知られるミズバショウ、ザゼンソウ、テンナンショウ、ウラシマソウ、生け花に使われるカラーもこの仲間です。サトイモ科の特徴は花茎の先に、漏斗(ろうと)状に巻いた仏炎包を付け、中に肉穂花序が一個直立しています。
  カラスビシャクは多年草で根出葉は三枚の小葉を付け、仏炎包は緑色。この根茎を薬用として用います。
  農家の人は、雑草扱いにすると同時に薬用にすることを知っています。畑を耕しながら、このカラスビシャクを採って、畑の片隅に放り投げておきます。作業が終わると、これを掻き集めて、薬屋さんに持って行き、いくばくかの金銭をもらいます。この薬代金を集めたものが、ヘソクリの語源になったと言われています。根茎が丸く凹んでいて、お臍のような形に見えることと合せて、この名を得たとの説も有力です。民間薬としては、つわり(悪阻オソ)の妙薬として用いられます。
  漢名は半夏(ハンゲ)。カラスビシャクの塊茎の上皮を去って乾燥したものを使います。ほとんど無臭で、味は強烈なえぐみがあります。漢方処方には、半夏厚朴湯(コウボクトウ)・半夏瀉心湯(シャシントウ)・半夏白朮天麻湯(ビャクジュツテンマトウ)などがあります。
  半夏厚朴湯は、体力がやや低下し、軽度の腹部膨満感があって、咽喉が塞がったような感じが消えず、氣分が憂鬱で、不安感、不眠、心悸亢進、めまい、頭重感などがあり、脈は沈んで弱く、腹部は軟弱で、鳩尾(みぞおち)に振水音があるような人に効果があります。このような状態を漢方医学では“氣のうっ滞”と診断します。 半夏瀉心湯、半夏白朮天麻湯の解説は紙面の関係上、次号に記すことにします。

PROFILE
横山 瑞生
(よこやま ずいしょう)
1939年
茨城県常陸大宮市に生れる。
1964年
東京高等鍼灸学校卒業、在学中から大塚敬節氏に師事し漢方を学ぶ、後小川晴通氏に師事し鍼灸を学ぶ。
1971年
中国医学研究協会設立に参画。
1973年
中華医学会の招聘で訪中、鍼麻酔、耳鍼療法学など我国に最初に紹介した1人。現在、日本東洋医学会会員、日中医療普及協会会長、新宿鍼灸師会会長、日本ホリスティック医学協会常任理事、一本堂鍼灸療院院長などの傍ら国内外の後進の指導に当たる。
著訳書
『カラー版鍼灸解剖図』『最新中医針灸穴位掛図』『針灸経穴辞典』『針灸寄穴辞典』『アレルギーはツボで治る』『耳針療法掛図』ほか多数。

連絡先
東京都新宿区本塩町10 四谷エースビル101
一本堂横山鍼灸療院  電話 03(3359)6693